五十嵐正俊 Words

しあわせの温度

それまでは言わずにいることが誰より何より男らしく思えて
だから君がどうして泣くのかとわからずに戸惑っていた

いくつかの悪戯なできごとに目を逸らし耳を塞ぎ「出来ない理由」を探してた
だけど今は臆病な時を越えそっと手渡す優しさをおぼえた

おなじものを手に入れたとき
違う解答楽しめたのに
それがふざけた単語でかたずけられるなら
見つけるよ当たり前すぎて気づいてないだけの

それはほんの少しの出来事
それはほんの些細な出来事
言い切れば言い切るほど胸が苦しくなる
それはほんの僅かな出来事
それはほんの微かな出来事
押さえきれるならこんなに喋らないよ

こんな日は町に出かけようふたりとも傘をたたくあの響きがとても好きだった。
空が急に明るくなったとき何故僕は君から目を逸らしたんだろう

「いない」ことを噛みしめたとき
見えないもので手渡せたのに
君が求めたカタチを見つけだせないなら
ここにあるよ当たり前すぎて笑い飛ばしてただけの

その温もりを暖かさを安らぎを全部もっと
探しあてること出来たならおとずれるはずさきっと
しあわせの温もりをふたりちゃんと感じあいながら

それはほんの少しの出来事
それはほんの些細な出来事
手放せば手放すほど自分を許せなくなる
それはほんの僅かな出来事
それはほんの微かな出来事

君がぜんぶになる

それはほんの少しの出来事
それはほんの些細な出来事
言い切れば言い切るほど胸が苦しくなる
それはほんの僅かな出来事
それはほんの微かな出来事
そして僕はやっと君の手を握った